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第6回 九州医療ソーシャルワーカー協議会
中堅者研修会に参加して in 宮崎
テーマ:「ソーシャルワーカーの専門性って何ですか?
~日常業務の中から見つけてみよう~」
日 時:平成21年10月3日(土)~10月4日(日)
会 場:九州保健福祉大学総合医療専門学校
研修のメインテーマは「ソーシャルワーカーの専門性って何ですか?~日常業務の中から見つけてみよう~」ということで宮崎県宮崎市に行ってきました。
研修初日は「医療ソーシャルワークの主体性とは~回復期リハビリテーション病棟を対象として実態調査から~」というテーマで衣笠一成先生(大分大学教育福祉学部准教授)の講義がありました。
内容は、MSWとは「何をする、どんな専門職なのか?」の問いにおいて、「どのようにするのか(how to)だけでなく」「何(what)をなぜ(why)するのか」を問う視点、医療ソーシャルワーカーとしての基礎となる「何を実現しようとするのか」という専門職としての視点から考えました。ソーシャルワークの基本的価値としては「個人の尊厳の保障」「自己決定の保障」が挙げられ、ソーシャルワーカーはクライエントの自己決定を最大限に活用できるようにあらゆる努力を払わなければならないとされています。医療現場における問題点の中には、患者の「自己決定」の取り扱いについて、患者本人の決定だけでなくその家族の決定をどう取り扱うか、医師や看護師などの医療職との間での「意思決定」に関する様々なイシュー(論争点)が存在しています。患者本人だけでなく家族、親族、またそこに関わる他職種間とのコミュニケーション関係において「自己決定」が言われるほど容易に達成できるわけではありません。
そこで、ソーシャルワーカーの視点としては生存環境としての「場」の設定だけでなく、その向こうにある「関係性」を大切にする視点が必要です。そのための支援の方向性としては①クライエントの希望を見出す、②家族の希望を把握する、③チームによる支援の方向性、④退院後の生活方法、手段の提案があります。しかし、単に退院の手続きがMSWの役割ではなく本人・家族の合意形成を図り、関係性を繋ぐ(本人と家族・向き合うことと受け入れること)といった、これからの医療ソーシャルワークを考える上で、なぜ「自立し、自己決定できない存在」をも、MSWは肯定しようとするのか、「自立、自己決定できない存在」から、MSWはどんな意味を汲み取っていくのかということを「論理的」に説明し、自らの専門性として定着していく必要があります。
次に事例検討を通じたスーパービジョンが行われました。回復期病床を持っている宮崎市のMSWより事例の発表を行い、それに対してスーパーバイザーとして衣笠先生がスーパービジョンを行いました。
事例は、離婚して内縁の妻と生活している患者で、ADLは脳梗塞により左完全片麻痺。金銭的にも収入がなく、貯蓄もなく、金銭面では誰も支援できず、加えて子供や親類とは不仲で、元妻とも音信不通の状態。キーパーソンは内縁の妻であるが、アパートも退去勧告を告げられ、今後どうすればよいかという内容でした。時系列に記載されたケース記録をみて、MSWが葛藤もありながら、苦悩し試行錯誤して支援した様子が伺え、自分だったらどう支援するだろうかと考えさせられました。
研修初日終了後、研修会場のすぐ横に居酒屋があり懇親会を開いて頂きました。参加者のほぼ全員が出席し、大盛り上がり。宮崎県の地鶏やチキン南蛮などを食べながら、各県の方々との交流を図ることができ、宮崎の夜を満喫しました。
研修二日目は「KJ法によるソーシャルワーカーの視点の構造化」というテーマで7人のグループに分かれて、「MSWとして大切にしたいこと、実現させたいこと」を各時が持つ紙10枚に短いタイトルを書き込み、模造紙に貼り付けました。それを同じ内容や似た内容のカードを集めて、小グループを作り、そのタイトルを書き込み、また小グループ同士の関係に着目して大グループを作りタイトルをつけていきました。作業を振り返り、ディスカッションを行い、最終的に1つのタイトルをつけ、その結果、MSWはどういった役割を持つのかということを視覚的に捉えるというものでした。私たちのグループは、表に出ず依頼人に寄り添い、時には影となり、完璧に依頼を遂行する、必殺仕事人を文字って「必活仕事人!」というタイトルを考えました。他のグループも個性豊かなタイトルをつけていました。KJ法は2回目でしたが、導き出されたテーマに対して、考え方や分析の仕方が中堅者ならではで、興味深く感じました。
2日間の研修を通して、ソーシャルワーカーとは「価値の専門職」であり、医師や看護師といった「医療の専門職」、弁護士といった「知識の専門職」のように実体がなくわかりにくいもので、それにより、認知や評価もしにくいです。だからこそ、私たちは専門性を論理的に分析・解析しソーシャルワーカーの必要性を示してくことが必要だと感じました。
研修が終了し、県庁を遠めに眺めた後、もう一度チキン南蛮を食べて帰りました。
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